論文誌

時系列データマイニングを援用した会話インタラクションにおけるジェスチャ分析の支援

Abstract

本研究ではハンドジェスチャの量的な分析を支援するために,データマイニングのアプローチを紹介する.データマイニングの手順として,最初に手の動きをモーションキャプチャでセンシングし,時系列データとして抽出する.次に,時系列データから動作部分・無動作部分を自動分類し,ジェスチャパターンの候補となる頻出する系列パターンを発見・抽出する.データマイニングシステムの有用性を示すために,これを用いた分析事例を紹介する.分析対象には,二人が説明者,一人が聞き手という設定で行うアニメーション説明タスクにおける説明者のジェスチャを選定した.計8セッションの説明タスクから得られるデータに,本手法を適用した.各セッションごとに説明者が用いたジェスチャの頻度,二人の説明者がジェスチャを行ったタイミングに関する分析を行った結果,説明におけるジェスチャの使い方,使う量が場合分けできることを示す.さらに,セッション間で共通して使用された頻出ジェスチャパターンや,アニメーションにおけるキャラクタの小刻みな動きを表象するジェスチャを抽出できることを示す.

Artifacts

Information

Book title

社会言語科学

Volume

15

Pages

38-56

Date of issue

2012/09/30

Date of presentation

2012/09/30

DOI

10.19024/jajls.15.1_38

Citation

岡田 将吾, 坊農 真弓, 角 康之, 高梨 克也. 時系列データマイニングを援用した会話インタラクションにおけるジェスチャ分析の支援, 社会言語科学, Vol.15, No.1, pp.38-56, 2012.